音楽活動でプロを目指す人へ

音楽活動でプロを目指している人に読んでほしいブログです。長年、インディーズバンドで活動してきた僕の経験などを書き残していきます。これからプロを目指す方に、何かのお役に立てたらと思っています。

【初心者】パートを選ぶ ボーカル編(3)

プロのボーカル、歌手を目指すには、人を惹きつける才能が必要という話をしました。
この才能に自信がないのであれば、おとなしく別のパートを選んだほうがいいです。

もちろん他のパートでも、そういった才能があるほうがいいですが、まだマシです。
なぜなら、才能のある歌手と組めば良いからです。

では、人を惹きつける才能とは何か?

あなたが学生だとして、クラスに必ず人気者っていますよね。
その人は何で人気者になったのでしょう?

色んな理由があると思います。
カッコいい、可愛い。
頭がいい。
話が面白い。
スポーツ万能。
性格がすごくいい。

そして、歌が上手い、、、など。

プロの歌手としてやっていくのなら、この「クラスの人気者」の延長の、もっとレベルの高い事をやっていきます。
今の学校の中だけの人気者レベルではダメです。
言うならば、「クラスの人気者」の甲子園大会のようなもので、各学校の人気者もので、どちらが人気者か競い合い、最終的に全国の人たちの人気者になれるような才能が必要なのです。

では、そのための武器とは何でしょう?

■歌

やはり歌手なので、そのものズバリ歌です。
しかし前回、歌の上手さの基準である
リズム
音程
声量
は、基礎中の基礎で、スポーツ選手であるところの基礎体力みたいなもんだと言いました。

プロのスポーツ選手も、体力があるだけではダメなように、プロの歌手もリズム、音程、声量が素晴らしいだけではダメです。

プロのスポーツ選手は、試合に勝つために技術、戦術、メンタルなど様々な要素を高度に身につけていますよね。
これを歌手に当てはめると、、、

感情を込める表現力
個性的な声、歌い方
だったりが必要になります。

リズム、音程、声量のトレーニングはするべきだし、指導してくれるトレーナーもたくさんいます。
しかし、表現力や個性などは教えてもらうものではなく、自分の人生で積み重ねてくるものです。

もしも、あなたが全国の人気者になるために、歌を武器にしたいなら超個性的で、多くの人を感動させられるような歌が歌えなければなりません。

リズム、音程、声量に関しては、プロの方を見ても、そのレベルはまばらです。
むしろ、そこまで上手くない人もいます。
例えばロック歌手などは、そういった基礎的な能力より、個性や表現力に優れているケースが多いです。

シンガーソングライターの方も、高度な基礎技術プラス、非常に個性的な歌い方を武器にしてますね。

カラオケが上手いね、では武器になりません。

人は、上手い歌を買うわけではないです。
個性的で、なんだか気に入ったな、という歌を買うのです。

基礎技術が、信じられないほど高度になるなら、それはそれで個性だと思います。
それこそ世界レベルの技術力ならば。
しかし、技術力はあとからトレーニングできるにしても、技術力を個性のレベルまで高める事はできません。
そういう人は、子供の頃からすでに、自分の才能だけで、上手いような天才だけです。
それに、技術力が高いだけの個性だと、飽きられるかもしれません。
やはり、唯一無二の個性的な声や歌い方を持っているべきです。

個性や表現は、その人の感性によって磨かれます。
何かに感動して、それを自分のものにしてきた人が、個性的な素晴らしい歌を歌えるようになります。
なので、高校卒業するくらいの時点で、基礎技術はなくても、個性や表現力があればなんとかなるかもしれません。
逆に、個性や表現力がない人は、それ以降どんなに頑張っても、それらが身につく事はないでしょう。

■歌の表現力とは

例えばですが、演劇で何かセリフを言ってみてください。
センスがある人は感情をこめ、下手な人は棒読みになります。

歌の表現力も、これに近いものがあります。
どのようなトーンで、どのような声をだしたら、どのような感情が伝わるか。
センスのよい人は、これを歌で表現できます。

細かいテクニック、例えばビブラートなどもありますが、そんな小手先のテクニックよりも、まずは「棒読みにならない歌」が歌えるセンスが必要になります。


■人物の魅力

では、歌が武器になるレベル出なかった場合はどうなのか?
クラスの人気者になるにも、色々なパターンがありますよね。
同じように、プロの歌手も歌以外を武器にするパターンがあります。

それは、プロ歌手という職業が、本質的には「歌唱業」ではなく、「人気商売」だからです。

しかし勘違いしてはいけないのは、魅力で勝負するからといって、歌をおろそかにしないことです。
歌手ならば、やはり最低限の歌唱力は必要です。
基本的には、カラオケレベルでは通用しません。
また、歌で戦えない分は、色々な可能性が減ります。
あくまで、歌がメインです。

魅力だけで戦いたいなら、歌手でなく、タレント、芸人、役者など、他の世界にいきましょう。

そういう意味では、アイドルに関しては、ある程度許されます。
それは、アイドルがタレントよりの職業だからです。
しかし、アイドルだって歌を歌うのがメイン。
歌がダメなら、これから言う「人間の魅力」を、シンガーソングライターやロック歌手以上に求められます。

また、歌が素晴らしくても、人間の魅力をおろそかにしていいわけではありません。
全ては総合的な合計点なのです。

そこら辺の話や、そもそも人間の魅力とは何か?というお話を、次回書いていきますね。