音楽活動でプロを目指す人へ

音楽活動でプロを目指している人に読んでほしいブログです。長年、インディーズバンドで活動してきた僕の経験などを書き残していきます。これからプロを目指す方に、何かのお役に立てたらと思っています。

【初心者】パートを選ぶ ボーカル編(4)

あなたには誰かお気に入りの歌手はいますか?

おそらく何人いると思います。

大好きで、コアなファンになっている歌手。
なかなかいいなと思って気になってる歌手。

例えばその歌手が、あるとき酷いスキャンダルを起こしたとします。
あなたにとって耐えられないくらい酷いスキャンダル。
その人のことを嫌いになって、顔を見るだけで嫌な気持ちになるレベル。
そうなった場合、その人の新曲が出たとして、今まで通りCDを買うでしょうか?

もしかしたらあなたは「音楽に罪はない」「人格と歌は別」と言って買い続けるかもしれません。
しかしそれは確実に少数派の意見です。

人は音楽を買うとき、音楽以外の要素、つまり「世界観」を含めて買っています。
音楽とは、聴くだけで非日常な気分にしてくれるものです。
ですから、歌ってるアーティストの世界観込みで楽しむものです。

あまり情報のない、海外アーティストならば、どんな人物か知らないまま、好きになってるかもしれません。
しかし、写真やその他の情報から、その人の人格を、あなたが無意識に「想像して補完している」だけです。

世界観が一切影響しないことはほとんどありえません。
同じ歌でも、ブクブク太ったおじさんより、若くて見た目も性格もカッコいい人の方が「カッコいい音楽」に聴こえてくるものです。

ですから、歌が良くても、人物が嫌われ者なら、必ずマイナスに働きます。
逆に言うと、歌が多少劣っていても、人気者ならばプラスにすることができるわけです。

ソロならなおさら、グループでも先頭に立つ立場であるボーカルを目指すなら、他人に好かれる才能が必要になるとはそういうことなのです。

嫌われなければよいわけではありません。
「普通」でもマイナスになります。
なぜならプロの歌手とは個性的な魅力ある人たちの集まりだからです。
たくさんの女性シンガーの中に、普通のOLさんがポツンといたらどうでしょう?
その人のCDが売れると思いますか?

では、人の魅力とは何でしょう?

■そのものズバリ、見た目

まず重要なのは見た目です。
顔です。

顔で評価するなんて酷いと思うかもしれませんが、これは事実です。

顔そのものの作りは、生まれたときから決まっているので、これはまさに「才能」です。
しかし「見た目」と書いたのは、努力の入り込み余地があるからです。

顔の作りは決まっているとして、最大限の努力はしましょう。
清潔感のある服装や髪型。
オシャレに気を使ったり、体型もシェイプアップしたほうがいいかもしれませんね。

ただし、「イケメン」「美少女」にならなければ絶対無理かというと、そうではありません。

イケメンではないが、暑苦しい熱血キャラだったり、どこか影のあるカッコよさをもった男性歌手。
美少女ではないが、皆に慕われる、どこか可愛らしい女性歌手。

そういった方向性もあります。
要するに異性にモテるにはどうすればいいかを突き詰めていけばよいです。

でも「イケメン」「美少女」は強いですけどね。
長年バンドを見てきましたが、なんだかんだボーカルがカッコよかったり可愛かったりするバンドが人気が出ました。

異性にモテる。
これを目指してください。

特に、歌よりも人物が重視される「アイドル」は、異性にモテる必要性がグッと上がりますので、覚悟してください。


■キャラクター

導入部である、見た目が非常に大事なことであると書きましたが、中身も大事です。

1)例えばライブパフォーマンス。
曲を聴いてもピンとこなかったけど、たまたまライブみたらハマったなんて言うことも、よくあります。
音楽とはエンターテイメントですから、楽しい、また来たくなるようなライブができることは、強い武器になります。

2)トーク。
ライブ中のMCとも言えますが、あなたは他人から「見た目」「歌ってる姿」そして「しゃべり」の、三大要素で評価されます。
あなたの性格が判断される、とても重要なの要素です。
でも、しゃべりばかり磨いても仕方ありません。
しゃべりが、やりたいなら芸人さんかタレントを目指しましょう。
基本的には面白い事は言えなくても大丈夫です。
あなたのキャラクターにあった事が言えればOK。
一番ダメなのは、面白いことを言おうとして、すべることです。
また、音楽活動が進むと、ライブMC以外にも、ラジオやネット配信でしゃべりを求められる機会は増えていくでしょう。

3)そして普段の行動。
歌手たるもの、普段の行動も大事です。
コアなファンができると、ブログなどもチェックされます。
そこにどういうことを書くかも、とても大事です。

とても硬派な音楽をやっているのに、チャラ男だったり、考え方が薄っぺらかったらどうでしょう?
幻滅しますよね。
政治的な主張のパンクロックをやっているのに、世の中への考えが浅かったら?
そういう人は、パンクロックの歌手は最初から目指さないほうがいいでしょうね。
ファンはそういうところも見ています。

もちろんギャップを狙う手もあります。
チャラい音楽をやってるのに、実際は硬派な面もあったり。
そういうプラスになるギャップはいいと思います。

プラスのギャップとは、今までの「見た目」とかにも言えます。
すごく美人で綺麗なのに、ライブで暴れまくったりしたら?
ギャップをうまく使うと個性も出しやすいです。


■それでもボーカルをしたいか?

今まで、ボーカルに必要な要素を書いてきましたが、ボーカルに求められるものは非常に多いですし、厳しいです。
まだまだ書き足りないくらいです。

それでもボーカルを目指しますか?
楽器演奏のほうがよっぽど簡単です。


最後にひとこと書きます。
ボーカルと言えど、音楽は勉強してください。
歌は、なんとなくでも歌えますから、大多数のアマチュアボーカルは音楽を勉強しません。

でも、歌も楽器の一種です。
リズムの理論やコードやスケールなど、楽器演奏者に必要な最低限レベルの知識は勉強しましょう。

本当に音楽が好きなら、自然と勉強するはずなのです。
それをしていないということは「楽器は難しそうだけど、歌は歌えそう」と、なめている証拠です。